選考委員講評

それぞれに心に残る文章

瀬戸内 寂聴

 日本人に生れ、佛壇のある家に育った人間なら、毎朝家人の鳴らすお鈴の音に馴じんでいる。品質の差はあってもお鈴の音はすべて一律に「りーん」と鳴る。値段によって音の好し悪しはあっても、決してどのお鈴も「ブー」とか「ダー」とかいう音は発しない。
 同じ「りーん」という音色を、どのように聞いてきたか、たくさんの応募の原稿の一つ一つに独特な記憶がしのんでいて、面白く有難かった。その中から選んだ作品が最高という意味ではなく、読後に私の胸にその音が個性的にひびき残ったものである。

授賞式 平成30年12月15日土曜日 ホテルニューオータニ高岡
応募数483編 入賞10編

入賞作品発表



このたびはたくさんのご応募ありがとうございました。

エッセイのテーマは、「おりんのある日常」

おりんの魅力を身近に感じてもうらうための企画。
全国から483編の応募があり、
作家で僧侶の瀬戸内 寂聴、柘植 元一 東京藝術大学名誉教授、忠田 憲美
北日本新聞社 代表取締役社長が作品を選びました。
授賞式では、富山県から宮崎 一郎 地域振興課長、
そして、高橋正樹 高岡市長、米谷和也 高岡市教育委員会 教育長ら、
来賓から祝辞をいただきました。

大賞作品の朗読に合わせ、おりんの演奏もあり、会場に澄んだ音色が響き渡りました。
受賞者の挨拶や、選者の皆さんから総評をいただき、
更には、瀬戸内寂聴 著「釈迦」の上演があり、
80名程度の一般入場者を含め、受賞者を誉えました。

おりんがある日常を描いたエッセイのコンテスト。
おりんの鳴る音、鳴らす音、響く音が聴こえる日常の生活模様をエッセイにして、ご応募ください。

「おりん」は、1500年ほど前から今日まで、澄んだ音色で日本文化と幸せの根幹にかかわってきました。
「こころを落ちつかせる」ことで人は正しい判断が出来、それが自身の活力となります。
今まで気づかなかった「おりんの音」の魅力、深遠さを皆さんに見直していただくことを目的としています。

おりんは、一般的に仏具でお祈りの時にチーンと鳴らす音具です。


昨今では、おりんの音は様々なところで活用されています。
Ex.風鈴、ドアチャイム、熊鈴、卓上のインテリアアイテム、呼び鈴、駅の発着音、学校のチャイム、仏具などチーン、チリーンや、チリリンという音色です。


開催概要

テーマ
おりんがある日常
主 催
株式会社 山口久乗
共 催
北日本新聞社
後 援
富山県、高岡市、
(公財)富山県文化振興財団、
高岡市教育委員会、高岡商工会議所

選考委員

募集要項

応募資格
年齢、性別、職業、国籍は問いません。
応募方法
400字詰め原稿用紙2~3枚程度(1200文字程度まで)
郵送、メール、本サイトからご応募できます。
応募された原稿は返却いたしません。
応募条件
・応募原稿は、日本語による未発表作品に限ります。また、おひとり3作まで応募可能です。
・同人雑誌やホームページなどに既に発表したものは発表済みとみなします。
・自作未発表でない作品は、入賞後でも入賞を取り消します。
・同じ作品による他の文学賞との二重投稿は認められません。
・第三者の権利を侵害した応募作品(他の作品を模倣する等)は無効となり、その場合の権利侵害に係わる問題は、すべて応募者の責任となります。
・応募作品の著作権は応募者に帰属しますが、入選作品の発表および第2次使用については、山口久乗が優先します。
・審査、審査過程に関するお問い合わせには一切応じられません。
応募締切

郵送の場合:平成30年10月11日当日消印有効
オンライン応募:平成30年10月11日23:59まで可

応募は締め切りました。

審 査
選考委員会にて、入選者を厳正に選考いたします。
※ 瀬戸内寂聴、柘植元一、忠田 憲美
発 表
それぞれの受賞者は、平成30年12月3日、当ホームページに掲載します。
また、平成30年12月15日に富山県高岡市内にて授賞式を行います。受賞者は日程の調整をお願いいたします。
おりん大賞【1編】:賞金10万円、副賞、授賞式で朗読とおりんで上演
優秀賞【2編】:賞金3万円、副賞
特別賞【2編】:賞金1万円、副賞
佳作【5編】:記念品

授賞式では、大賞作品、並びに瀬戸内寂聴著「釈迦」を太田豊・林恒宏のユニットKATARINEが朗読演奏いたします。

太田豊・林恒宏のユニットKATARINE(語り音)

太田 豊 <音楽>

音楽家・雅楽演奏家

仏具「おりん」の楽器「久乗編鐘」による北陸新幹線新高岡駅発車メロディー、高岡駅発車音を作曲・演奏
また久乗編鐘をはじめ、笛・琵琶・サックスなど様々な楽器を用いて舞台芸術のための音楽を作曲・演奏し、多種多様なアーティストと共演している。
東京藝術大学邦楽科卒業

林 恒宏 <語り>

語り手、音声言語指導者、俳優、株式会社「研声舎」代表

北陸を中心にテレビ・ラジオ番組、CM等のナレーションで活躍中。
Vocal Arts Service Center代表 音声言語指導者の磯貝靖洋氏に2002年より師事。
寺院や能楽堂での「林恒宏の独り語りシリーズ」の他、ビジネスマンに向けたセミナーや、小・中・高等学校でのワークショップ等も多数行っている。
上質な「語り」の道を究めるため、現在も研鑽中。